2019-04-12

Ékoca 常設商品のご紹介

先月、展示販売イベントをやらせていただいた恵比寿の雑貨店 Ékocaさんでは、引き続き常設でお洋服を置いていただいています。
(お店では様々な作家さんの個展を開催しており、その間ストックルームへ戻していることがございます)
本日は現在店頭に並んでいる商品をご紹介致します。

イベントでは、リネンの産地ノルマンディの畑や工場の様子を写真でご覧頂きました。
 
ENYO
※イベント時の様子

リネンの原料がフラックス(亜麻)だということをご存知の方も多くいらしゃると思いますが、フラックスから長繊維(生地にする長い繊維)は20〜30%しかとれません。
残りの8割は繊維を取り出す作業工程で落ちる短い繊維ですが、こちらも余すことなく全て使います。
リネンが高価なのは作る過程に時間がかかることもそうですが、年に一度しか収穫できず、しかも畑は毎年同じ畑を使用せず輪作をし、さらには収穫物の2割程度しか生地にできない、こうして書いてみると理由がわかる気がします。
最近では手頃な価格のリネン、反して大変高級なもの、いろんなリネンを目にしますが産地や紡績地の違いも関係していると思います。
ENYOでは世界最大産地で最も高いクオリティとされているノルマンディ産フラックス(紡績地はフランスに限らず)を使用しています。
うちで使うリネンは、本当に良いものです。
これだけは自信を持って言えます。

・・・前置きが長くなってしまいましたが(イベント時もこうしてお客様に話を聞いていただいていました)、商品をご紹介します。
Ékocaさんのオンラインサイトはございませんが、電話やメールでお問い合わせいただければ通販対応もしてくださるそうです。
在庫の有無 詳しいサイズやお値段も、 Ékocaさんにお気軽にお問い合わせください。
 
Ékoca (月火はお休み)
TEL: 03-5721-6676
メール: info@ekoca.com



ENYOENYO

まず、フライフロントのワンピースです。
昨日より販売開始されましたリネンバードさんへも、袖のデザインが異なるものを納品しました。
Ékocaバージョンは長袖で、袖口にタックとカンヌキを施しています。
前をしっかり閉めてワンピースに、写真のモデルのように羽織として着ることもできます。
これだけ着丈があると前を閉めたときにボタンの印象が強くなると思ったので、フライフロント(比翼あき)にしてボタンが隠れるような仕様にしました。
デザインはシンプルですが、どこかの国の民族服のようでもあり、洗練された大人の雰囲気もあって色んな着こなしができそうです。
カラーは2色ご用意がございまして、白い方はアンティークリネンになります。
なるべくシミや傷の目立たないところにパターンを配置しておりますが、古いものなので経年変化していることをご了承ください。
現行品の生地にはないしっとりした質感で、生地の状態も良好です。
蚤の市で生地を探していますが、自分の素材への要求が段々高くなったのか、物自体が減ったからなのか、納得できるアンティークリネンに出会うことが前ほど多くはなくなりました。
小さく ”ENYO” と赤い刺繍を入れました。
そして、ブルー系のカラーでもうひとつございます。
この色、なかなか色名をはっきりさせるのが難しかったのですが、ピーキングブルーといいます。
青のような緑のような、光によって見え方が異なります。
今回 Ékocaさんに納品した商品で唯一フランスで紡績された生地で作ったのですが、​話に決着をつけずニュアンスを残すところがフランス映画のようで​何ともこの国らしい色です。
すごくきれいな色ですが派手な印象ではなく、普段あまり色をお召にならない方でも抵抗なく取り入れられるカラーです。
ウォッシュ加工が施されており、最初から洗いざらしの質感が特徴ですので、旅行に持っていくのにも適しています。



ENYOENYO

そしてこちらは、ギャザープルオーバー(チェック)と着丈を+20cmしたロング丈になります(サパン)。
19世紀フランスの農夫のシャツをデザインソースにしました。
たっぷりギャザーが入っていますが、薄手で落ち感のある柔らかな生地で仕立てたので、ボリュームをさほど感じません。
生地の使用量もシャツにしては多めでしたので、重くならないよう素材選びに気を配っています。
チェックを大胆に使い、コーディネートの主役になるシャツに仕上がりました。
チェック柄はカジュアルな印象になりがちですが、大変上質な素材を使用しているので大人の方に着ていただいても可愛くなりすぎないと思います。
リネンで柄物、なかなか気に入る生地がなくあまり使ってきませんでしたが、すでに無地のシャツをお持ちの方が2枚目を考えるとしたら、グッドアイデアでしょう。(なんか変な日本語になっちゃいました)
このチェックは暖かい季節に映えますし、ちょっと気分も上がると思います。
着丈はヒップがすっぽり隠れるくらいです。
ロング丈 サパン(フランス語でモミの木)の深い緑色は、鮮やかすぎずダークでもなく、日本人の肌色にも馴染みやすいと思います。
春らしくステッチをピンクにして、軽やかにしてみました。
こういうちょっとの可愛さや遊び心を、ものを作る上で大事にしています。
こちらの着丈は膝上くらいまであるので、細身のボトムを合わせても気になる部分をカバーできます。



ENYO

そしてこちら、ターンダウンカラーのプルオーバー。
白と青の糸を交互に織り上げた、杢ブルーというカラーです
ターンダウンカラーは今回初めて作ったのですが、衿の構造上 立ち衿をしやすくなっています。(衿を寝かして着ることもできます)
ハンサムなこの衿のシャツは、フランス人の友人たちに今季で一番好き!と言ってもらえました。
今コレクションのテーマがフレンチマダムですが、メンズライクな服をラフに着るとかえって女性らしくみえるのは、フランス人たちから学んだアイデアです。
この生地はとっても柔らか!薄手で肌触りが良いので、春にもこれから暑くなる季節にも活躍すると思います。
立ち衿にすると、後ろ首の日焼け防止になりますね。

伝えたいことが沢山あって、長くなってしまいました。
読んでくださってありがとうございます。
ENYOは上質なリネン素材ありきのブランドです。
このとっても素敵な生地たちをどう形にするのが一番使い勝手がいいのか、それをまず第一に考えます。
コレクションテーマは設定しましたが、それを通じて何か言いたいというよりも、とにかくリネンの気持ちよさ素晴らしさがもっと伝わるように​と​願っています

ENYO ソリアノ