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シャツのポケットに、それぞれ手刺繍を施したものです。
ENYOの作品には刺繍が特徴的なものが多くあるのですが、私が刺すのは、心に残った思い出や日常の景色など、ほんのささいな出来事です。
強い印象ではないけれど、袖を通したときにわかる、なめらかな生地の質感や小さな刺繍を見つけて、着る人に喜んでもらえたらいいな、と願って作っています。
今日は 刺繍のポケット付シャツに描いたことを、少しご紹介したいと思います。
ヨーロッパの寒い地域に伝わる編み模様を、刺繍用にアレンジしました。
はらはらとコートの袖に落ちてきた雪が、ちゃんと結晶に見えて嬉しかったことがあります。
いろんな形の結晶があるのだと思うと、全部とっておきたいと思いますが、手で触れた途端消えて、益々惹かれます。
オレンジ色のものは、雪割草です。
長い冬が明けて最初に春を告げる植物だそうです。
こちらの手仕事は、寒い季節のものも、麗らかな春を思いながら作られたものが多く見られます。
私はフランスでもかなり北の方で暮らしていますが、冬がとても長く、夏が本当に短いと感じます。
そんな中、外国で暮らしてわかった日本の好きなところの一つは、四季の違いをしっかり感じることができ、春は桜、秋は紅葉など、自然の移り変わりを愛でる文化が素晴らしいところです。
森の中に小さな家を見ると、きっと年老いたお爺さんとお婆さんが仲良く暮らしているんだろうと、勝手に想像します。
かわいい台所や、テーブルにひかれたクロスを見てみたいけど、文明から離れ静かに生活を送っている人の邪魔をしたくない気持ちもあります。
(想像なので、実際は全然違って、テレビもインターネットもあるかも知れませんが)
森のものは、そんなことを考えながら手を動かしました。
すごく寒い日の帰り道、住宅から漏れる灯や、夕食の準備の匂いにほっとすることがあります。
うちは今日なんだろう? あったかいものがいいなぁ、と家路を急ぎます。
それは子供の頃のことで、今は自分が作る立場にあるので、冷え切って帰ってくる家族が温まるように、いつも献立を考えています。
色々な家が並んでいるのは、そんな記憶から描いてみました。
耳を傾けてくださって、ありがとうございました。
ENYO ソリアノ






